【手賀沼花火大会の歴史】始まりは「利根川の治水100年」だった。何度も消えかけた花火を、市民が守ってきた話

地元

毎年8月、当たり前のように手賀沼の夜空に上がる花火。

でもこの花火大会、実は何度も中止になっている。そしてそのたびに、市民の手で復活してきた。今年で開催から39年目を迎えるこの大会が、どんなふうに始まって、どんな危機を乗り越えてきたのか。8月1日の本番を前に、その歴史を調べてみた。

知ると、今年の花火の見え方が少し変わると思う。


始まりは1987年。きっかけは「利根川の治水100周年」

手賀沼花火大会が始まったのは、昭和62年(1987年)8月22日。

きっかけは、利根川の治水100周年を記念する行事だった。当時の柏市・我孫子市・東葛飾郡沼南町という「2市1町」が合同で、手賀沼湖畔の3か所を会場にして花火を打ち上げたのが最初の一歩だ。

つまりこの花火大会は、最初から「夏のお楽しみ」として始まったわけじゃない。水と戦い、水と共に生きてきた地域の歴史を記念する行事として生まれている。手賀沼という水辺に囲まれたこの土地だからこそ生まれた花火大会だと考えると、なかなか味わい深い。

その後、開催は毎年8月の第1土曜日に定着し、地域の夏の風物詩になっていった。


2005年、「2市1町」が「2市」になった

大会の形が変わる転機が、平成17年(2005年)3月に訪れる。

柏市と沼南町が合併したのだ。これにより、それまで2市1町で開催していた花火大会は、柏市と我孫子市の2市による共同開催という現在の形になった。

主催の枠組みは変わったけれど、花火は変わらず打ち上げられ続けた。この頃には柏第1会場・柏第2会場・我孫子会場の3会場体制で、打ち上げ総数は約13,500発にまで成長している。


2009年、初めての中止。理由は「お金」だった

順調に見えたこの花火大会に、初めての危機が訪れる。

平成21年(2009年)、大会は初めて中止になった。理由は、リーマンショックによる社会情勢の悪化。企業からの寄付が集まらなかったのだ。

ここで大事なのは、手賀沼花火大会が企業協賛と市民募金によって成り立っているということ。行政が全額を負担しているわけではない。だからこそ、経済が冷え込むと、花火は簡単に消えてしまう。

翌2010年には復活を果たすものの、この時も市民募金が200万円を超えて集まったことが大きかったと報じられている。「花火を見たい」という地域の意思が、そのまま資金になって花火を打ち上げたわけだ。


震災、そして2年連続の中止

しかし試練は続く。

2011年の東日本大震災の影響もあり、大会は再び中止に。翌2012年も中止となり、2年連続で手賀沼の夜空に花火が上がらない夏が続いた。

3年ぶりに復活したのは平成25年(2013年)。しかもこの年の復活は、ただの復活ではなかった。通常の3会場に加えて、柏市内に利根会場・柏の葉会場・下総基地会場を追加した計6会場という特別体制。打ち上げ総数はなんと約24,500発にのぼった。

3年待たされた分を取り戻すような、圧巻の復活劇だったのだと思う。当時これを見た人は、本当に忘れられない夏になっただろう。


2018年、「ちば文化資産」に選ばれる

復活後、大会は再び地域に根を下ろしていく。

そして平成30年(2018年)、手賀沼花火大会は千葉県民の投票により「次世代に残したいと思う『ちば文化資産』」に選定された

これは大きい。柏や我孫子の人だけでなく、千葉県全体の人たちが「これは残すべきものだ」と認めたということだから。ローカルな夏祭りから、県を代表する文化へ。花火大会の位置づけが一段上がった瞬間だった。


そしてコロナ。4年ぶりの復活へ

だが、また試練が来る。

令和2年(2020年)、新型コロナウイルスの影響で大会は再び見送りに。以降しばらく開催できない年が続いた。

4年ぶりの復活を果たしたのが令和5年(2023年)。この時、観覧会場はそれまでの3会場から、柏会場と我孫子会場の2会場に変更された。今の形はこの時にできたものだ。

数えてみると、この大会はこれまでに6回ほど中止を経験している。39年の歴史のうち、6回。決して少なくない。それでも毎回、必ず復活してきた。


打ち上げているのは、柏の花火師

もう一つ知っておきたいのが、誰が花火を打ち上げているかという話。

手賀沼花火大会の花火を手がけているのは、**柏市の花火師「高城煙火店」**だ。地元の花火師が、地元の夜空に花火を上げている。

しかも2026年は、この高城煙火店による競技花火の打ち上げがプログラムに入ることが決まっている。競技花火は、花火師が自らの技術と表現力を真正面から見せる舞台。つまり今年は、地元の花火師の本気の一発が見られるということだ。

これは正直、かなり楽しみにしている。


見どころは、水辺だからこその花火

歴史を知ったうえで、改めて見どころを整理しておきたい。

尺玉(10号玉) 打ち上げ高度は約330メートル、開いたときの半径は約160メートルにもなる大玉。音と光の圧が、体に直接届いてくる。

ウルトラジャンボスターマイン 息をつく間もなく、短時間で数百発を連続で打ち上げる大迫力の演出。

水中花火 そして手賀沼ならでは。湖面から半円状に炸裂する花火は、水辺の会場だからこそ実現できるもの。水面に映る光と合わせて、幻想的な光景になる。

利根川の治水を記念して始まった花火大会が、水面から花火を打ち上げる。この巡り合わせも、なんだかできすぎている気がする。


今年も「市民が支える花火」であることは変わらない

2026年の大会も、市民募金や協賛金を受け付けながら開催される。

市民が支え、市民が参加する花火大会。 これは単なるキャッチフレーズじゃなくて、何度も中止と復活を繰り返してきたこの大会の、実際の成り立ちそのものだ。

8月1日、手賀沼の夜空を見上げるとき。あの一発一発は、誰かが「今年も見たい」と思って支えた結果なんだと考えると、少し見え方が変わってくる。


まとめ

  • 手賀沼花火大会の始まりは1987年(昭和62年)8月22日
  • きっかけは利根川の治水100周年を記念する行事
  • 当初は柏市・我孫子市・沼南町の2市1町で開催、2005年の合併で2市に
  • 2009年に初の中止(リーマンショックで寄付が集まらず)、以降も震災・コロナで計6回ほど中止
  • 2013年の復活時は6会場・約24,500発という特別開催
  • 2018年に「ちば文化資産」に選定
  • 打ち上げるのは柏の花火師・高城煙火店、2026年は競技花火も

39年、何度も消えかけながら、そのたびに地域の力で復活してきた花火。今年の8月1日、その一発一発を、ぜひじっくり見上げてほしい。

穴場スポットや場所取りのコツ、当日の食事作戦については別記事にまとめているので、あわせて読んでもらえたら嬉しい。


LP・メタ広告用バナーやブログに関するご質問はこちらからお願いします! https://docs.google.com/forms/d/1WX3C7nhz9KszN-PzmeJVdqPq2zklLBwdySBerhkENtE/edit

コメント

タイトルとURLをコピーしました